「特定秘密」不適切扱い 新たに114人処分、計250人に 防衛省

2025/04/25 20:15 

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 自衛隊で国の安全保障に関わる機密情報「特定秘密」が不適切に取り扱われていた問題で、防衛省は25日、海上自衛隊幹部2人を懲戒にするなど、新たに計114人を処分したと発表した。2024年2月の問題発覚からの処分者は計250人に達し、防衛省は一連の調査を終結する。

 今回発表された処分者のうち懲戒は、40代の3等海佐の減給6分の1(2カ月)と50代の2等海佐の同(1カ月)。他は訓戒92人、注意6人、口頭注意14人で、所属先の内訳は陸自67人、海自30人などだった。処分日は今月9日付の1人を除き、同25日付。

 特定秘密を取り扱うには身辺調査に基づく「適性評価」をクリアしなければならない。また一度クリアしても、人事異動に伴い防衛装備庁や他省庁といった出向先から自衛隊などに戻り、再び特定秘密を取り扱う場合には適性評価を受け直す必要がある。

 懲戒となった3佐は22年度に護衛艦「いなづま」で、2佐は22~23年度に大湊造修補給所(青森県)でそれぞれ、資格の無い隊員1人ずつに特定秘密を扱わせたとされる。一方、訓戒以下の処分者112人は19~24年度、適性評価を受け直す必要がある隊員に資格を再取得させる手続きを怠るなどした。

 この問題を巡っては防衛省が24年12月末に、情報保全教育の徹底などの再発防止策を公表した。【松浦吉剛】

毎日新聞

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