「天使の歌声」来日70周年 ウィーン少年合唱団、27日から公演

2025/04/26 14:40 

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 「天使の歌声」として親しまれているウィーン少年合唱団が来日し、全国各地で来日70周年記念公演を行う。4月27日から6月15日まで25公演(うち2公演は一般非公開)があり、5月23日には大阪・関西万博の会場でも演奏する。

 ウィーン少年合唱団の創立は1498年にさかのぼる。バッハが生まれた1685年より約200年早く、日本では室町時代にあたる。作曲家のシューベルトも団員だったほか、ブラームスやワーグナーの作品を初演したことで知られる指揮者のハンス・リヒターも所属した。

 初来日は1955年。当時の毎日新聞によると、12月20日午後11時着の飛行機で団員ら24人が羽田空港に降り立った。22日には東京・日比谷公会堂でヨハン・シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス「ピチカート・ポルカ」などを歌っている。全国を巡り、翌年2月8日夜に帰国した。

 合唱団によると、これまでに計36回の来日で1500公演以上を行ってきたという。合唱団は4組に分かれ、今回は2人の日本人団員を含む24人で構成する「モーツァルト組」が来日する。

 公演に先立って24日、記者会見があった。50年前に団員として初来日したというエーリッヒ・アルトホルト団長は「伝統を次世代に受け継ぐことに合唱団の存在意義があると考えている」と述べた。団員のクリスさん(12)は「日本語の発音や歌詞の意味を理解することに力を注ぎ、心を込めて歌うことを心がけている」と話した。

 公演プログラムは2パターンある。「ぼくたちの地球 そして未来へ」と題したAプログラムでは動物にちなんだ曲や久石譲によるジブリ映画の楽曲などを取り上げる。Bプログラムは、今年が生誕200年のシュトラウス2世の作品が中心。定番の「美しく青きドナウ」や「ふるさと」は両プログラムで演奏する。

 日程や曲目など詳しくは来日公演公式サイト(https://www.japanarts.co.jp/special/wsk/)で。【西本龍太朗】

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