川崎 元交際女性の遺体 自宅外で焼いたか 現場の民家に焼損跡なし

2025/05/04 17:02 

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 川崎市川崎区の民家で女性の遺体が見つかった事件で、遺体には全身にわたる広範囲で激しく焼かれた跡があることが捜査関係者への取材で判明した。遺体が見つかった民家には焼損したような形跡がなく、神奈川県警は女性の元交際相手で住人の白井秀征容疑者(27)=死体遺棄容疑で逮捕=が自宅とは別の場所で焼却した可能性があるとみている。

 県警は4月30日にストーカー規制法違反の疑いで白井容疑者宅を家宅捜索し、床下のバッグの中から一部が白骨化した遺体を発見。5月3日に身元が判明し、元交際相手の岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)と確認された。遺体は死後1カ月以上が経過しており、死因は不明としている。

 捜査関係者によると、遺体には燃やされた跡があったが、自宅やバッグには焼損の形跡がないという。県警は白井容疑者が遺体を自宅外で焼却し、バッグに入れて遺棄しやすくした可能性があるとみている。

 県警には24年6月以降、白井容疑者から暴力やストーカー行為を受けたとして、岡崎さんや家族が何度も相談や通報をしていた。岡崎さんは同年12月に行方不明になり、県警は繰り返し白井容疑者から任意で事情を聴いていた。

 白井容疑者は今年3月25日の7回目の事情聴取でストーカー行為は認めたが、岡崎さんについては「自分も心配で捜している」などと説明。その直後の4月上旬に所在不明となった。米国に滞在していたとみられ、5月3日に帰国したため、県警は死体遺棄容疑で逮捕した。容疑を認めているという。

 岡崎さんの親族は県警の対応が不適切だったとしているが、県警は2人が復縁した時期もあり、双方に話を聞いていたとして「必要な措置を講じていた」との見解を示している。【宮本麻由、横見知佳、清水夏妃】

毎日新聞

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