「大きく育ってね」 静岡・沼津特産のタカアシガニ41匹を放流

2025/05/16 15:43 

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 駿河湾のトロール網漁の拠点である静岡県沼津市戸田で16日、特産の世界最大級のカニ、タカアシガニの放流が行われた。水産資源の保護が目的で、地元の戸田小中一貫校の5~7年生(小5~中1)18人も漁船に乗り込み、「大きく育ってね」と声をかけながら海に放した。

 この日、海に放流されたのは41匹。うち卵を持った雌は8匹で、卵がかえり大きく育つのが期待される。放流前に子供たちはカニの脚に再捕獲の目印となるタグを取り付け、重さと甲羅の横幅を測った。最も大きいカニは重さ5キロ、横幅は22センチあった。逆に最も小さいカニは0・7キロ、9・7センチだった。

 放流に参加した伊藤太陽さん(6年)は「カニは触ると、とげとげしていた。大きくなって帰ってきたらうれしい」と弾んだ表情で話した。

 戸田では大正時代からタカアシガニが漁獲されたが、当時は大味だとして見向きされず、本格的に商品化されたのは1960年ごろという。放流は地元の食堂経営者が1人で始め、現在は沼津市商工会戸田支所が主催している。2002年から昨年までの23年間では2282匹を放流し、うち50匹が再捕獲されている。【石川宏】

毎日新聞

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