盗難被害のバルト館にミャクミャク続々 新たなフォトスポットに

2025/05/25 12:15 

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 万博公式キャラクター・ミャクミャクのぬいぐるみが盗まれたことで話題になった大阪・関西万博の「バルト館」。欧州のラトビアとリトアニアが共同出展する同館には、盗難後にミャクミャクのぬいぐるみなどが来場者らから続々と贈られるように。カウンターには約90体がずらりと並び、新たなフォトスポットとなっている。

 盗難被害は13日に起きた。開幕以来、キノコをモチーフにした同館のマスコット「バラビちゃん」と並べて同館カウンターに飾られていたミャクミャクがこつ然と姿を消した。

 防犯カメラを確認したところ、女性と思われる2人組のうち1人がかばんに入れているところが映っていた。同館ガイドのイエヴァ・ミチュリェーネーさん(31)は「日本は安全な場所だと思っていただけに、ショックを受けた」と振り返る。

 協議の末、16日にリトアニアのオーレリウス・ジーカス駐日大使が事件をX(ツイッター)に公表したことにより、全国的なニュースとなり、話題を呼んだ。

 すると、想像もしない出来事が起こった。翌17日から、ミャクミャクのぬいぐるみなどが次々と同館に届けられ、その数が87体にものぼったのだ(23日現在)。「子どもたちから折り紙でつくったミャクミャクを手渡されたり、わざわざミャクミャクのぬいぐるみを届けるためだけに岡山から駆けつけたりする人も現れ、日本人の優しさに感動しました」とミチュリェーネーさんは笑顔を見せる。

 今では、同館ガイドの制服を着たミャクミャクや手づくりの編みぐるみなどが大勢でバラビちゃんを取り囲む姿が見られ、来場者の目を楽しませている。

 事件以来、同館を取り巻く状況が大きく変わり、「特別なパビリオンになった」ことに驚きを隠せないというミチュリェーネーさん。「今では、新たなフォトスポットになっています。日本人の気持ちのこもったサポートに感謝の気持ちでいっぱいです」と話している。【長尾真希子】

毎日新聞

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