一力遼本因坊（２７）に芝野虎丸十段（２５）が挑戦し、一力本因坊の２連勝で迎える第８０期本因坊決定戦五番勝負（毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ特別協賛）の第３局は６日、大阪府守口市のホテルアゴーラ大阪守口で打たれる。

　一力本因坊が前期に続き、無敗で一気に３連覇を決めるか、芝野十段が踏みとどまり、反撃ののろしを上げるか。注目の対局は、大阪市此花区・夢洲（ゆめしま）の大阪・関西万博会場内のＥＸＰＯメッセ「ＷＡＳＳＥ」で大盤解説会が実施され、囲碁の魅力を広く発信する役割も担う。

　このホテルでの本因坊戦は第７８期以来、２年ぶりの開催となる。両対局者は５日、守口市に到着。ホテル内の和室に設けられた対局室を検分した後、前夜祭に臨んだ。取材に一力本因坊は「第２局以降、研究にしっかり時間をとれた。一日、集中して打ちたい。大盤解説を多くの方に見てもらえたら」、芝野十段は「２連敗でかなり苦しい状況。しかし、あまり気にすることなく、課題の前半に気をつけながら普段通り戦いたい」と決意を述べた。

　対局は６日午前１０時、芝野十段の先番で開始。持ち時間は各３時間で、同日夕に決着する見通し。立会は張栩九段、解説は佐田篤史七段、記録は村本渉五段、大森らん二段が務める。【最上聡、武内亮】