株主代表訴訟で「億単位」賠償 リスクヘッジの役員保険がじわり人気
東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟で、東京高裁は6日、旧経営陣に13兆円超の賠償を命じた1審判決を取り消した。原発事故は被害が広範に及び1審では天文学的な賠償額となったが、上場企業の犯罪や不祥事で金額が「億単位」となることは珍しくない。リスク回避策として役員らを対象にした保険がにわかに注目を集めている。
株主代表訴訟は、企業が被った損害に対し役員らの責任が十分追及されない場合に、株主が企業側に代わって役員個人の賠償責任を追及する制度。
高額賠償責任が認定された事例としては、2011年に発覚したオリンパスの巨額損失隠し事件を巡り、旧経営陣3人に対する計約594億円の賠償命令が20年に確定した。ミスタードーナツの肉まん無認可添加物混入事件(00年)では、運営会社ダスキンの元役員2人に対する約53億円の賠償命令が08年に確定。2人は計約1億円をダスキンに支払い、自己破産した。
経営陣から見た最も確実な防衛策は不祥事を起こさないガバナンスを機能させることだ。しかし、フジテレビや旧ジャニーズ事務所のように判断ミスの連鎖や時代遅れの企業体質は、一瞬で会社を窮地に追い込む。交流サイト(SNS)が社会に浸透したことで、その傾向はより顕著になっている。
東京海上日動火災保険が21~22年に上場企業を対象に実施した調査では、東証上場企業の約8割が「役員賠償責任保険」(D&O保険)に加入した。別の保険会社ではD&O保険の契約件数がこの5年で約3割増加したといい、コンプライアンス意識の高まりが表れている。
ただし、無制限に補償がされるわけではない。海外では補償上限額が数百億円に上る保険もあるが、日本では高いものでも40億円程度だとされる。東京海上日動による17年の調査では、国内企業(従業員3000人以上)が加入する保険の補償限度額は平均で9億5000万円だった。上限額を超えれば、役員個人が支払いを迫られ、支払いが困難な場合は自己破産となる可能性が高い。
最高裁によると、全国で起こされた株主代表訴訟は統計が残る07年以降、年間34~106件で推移している。24年は45件だった。【安達恒太郎】
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