創業200年の旅館と300年の筆メーカー 奈良の老舗がコラボ

2025/06/09 10:15 

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 県産木材の端材で“木簡”を作り、奈良の歴史と文化を実感してもらおうと、創業200年の老舗旅館と300年の筆メーカーがコラボし、イベントを開く。

 若草山山麓(さんろく)にある「古都の宿むさし野」(奈良市春日野町)で13、20の両日、林業関係者の間で利用促進策が課題となっている間伐材で木製ネームタグを作るイベントだ。筆の「あかしや」(同市南新町)が、木材にも字を書ける強い人造毛(ナイロン)の筆を提供。むさし野の前庭でじっくりと作業に取り組んでもらう参加者を、両社が募っている。

 端材は縦約11センチ、横約4センチ。山間地域の過疎化を止めたいと考えている下井林業(橿原市古川町)が提供する。古代の木簡のように、両端に切れ込みを入れ、ひもをつけてネームタグにできる。万葉がなで名前などを書けるよう、あかしやのスタッフが指導する。

 あかしや広報の岡江結香さん(41)は「旅行客らにも飛び込みで参加してもらい、奈良の魅力をまるごと、自宅や自国へ持ち帰ってもらえれば」と期待。「むさし野」取締役の伊豆井晶子さん(39)は「奈良の歴史の発信拠点として、宿をいろんな企業に使ってもらえれば」と話す。

 両日とも午前10時~正午に開催。30分おきに5人ずつスタートする。参加費は3300円。問い合わせはむさし野(0742・22・2739)か、あかしや(33・6181)へ。【梅山崇】

毎日新聞

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