金型の無償保管を強要 SMKに下請け法違反で勧告 公取委

2025/07/15 15:30 

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 自社や顧客企業が所有する金型を下請け業者に無償で保管させたとして、公正取引委員会は15日、電子部品メーカー「SMK」(東京都品川区)の下請け法違反(不当な経済上の利益の提供要請)を認定し、再発防止と保管費用相当額の支払いなどを勧告した。

 公取委によると、SMKは遅くとも2024年1月以降、スマートフォンやリモコン、車載カメラなどの部品の製造を委託する65社に対し、発注予定が長期間ないにもかかわらず、貸与した金型など計823個を無償で保管させた。「違反を認識していたが、改善できていなかった」などと公取委に説明している。

 約10年前から無償保管を強いられたり、重さ約100キロの金型を約100個も無償保管させられたりしたケースもあり、下請け業者は公取委の調査に「SMKに廃棄や引き取りを要請したが、応じてもらえなかった」「仕事をもらっている立場なので、強く言えない」などと話したという。

 SMKは情報通信機器や家電など幅広い分野の電子部品を製造し、国内外に拠点を構える東証プライム上場のメーカー。今年、創業100周年を迎えた。【山田豊】

毎日新聞

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