日本生命社員、出向先銀行から内部情報を不正持ち出し 内部で共有

2025/07/15 20:43 

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 日本生命保険は15日、三菱UFJ銀行に出向していた社員が、同行の保険商品の販売戦略などの内部情報を無断で持ち出していたことを明らかにした。不正に取得した情報は日生内部で広く共有されていた。不正競争防止法が禁じる「営業秘密の侵害」にあたる可能性があるとして、日生は社内調査を進めている。日生は同日、金融庁に事案を報告した。

 日生によると、出向者は2024年4月、保険商品を販売した際の行員の業績評価体系や、同行が把握していた他の生命保険会社の商品の改定情報などを無断で持ち出した。出向者は日生で銀行関係の営業戦略を担う金融法人部に不正に取得情報を送り、部内や担当役員ら約270人に共有されていたという。

 日生は7月10日に外部からの問い合わせで事案を把握。現在、他の銀行などでも同様の事案があったかどうかを調査している。

 不正競争防止法で定める営業の秘密情報の取得にあたるかどうかについて日生は、「不適切だった可能性はある」とした上で「今後の調査で判明した事実関係に基づき、再発防止に努める」としている。

 三菱UFJ銀行は「誠に遺憾。詳細の確認を進めるとともに管理体制の強化に取り組む」としている。【山口智、福富智】 

毎日新聞

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