打球見届け豪快ガッツポーズ ソフトバンク山本恵大、待望プロ1号

2025/07/15 21:44 

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 ◇○ソフトバンク10―2ロッテ●(15日・みずほペイ)

 高々と舞い上がった打球は次第に大きくなる歓声に後押しされるように左翼テラス席へ伸びた。ソフトバンク・山本恵大の記念すべきプロ1号は、抜きんでたパワーを示す逆方向への一発になった。

 1点を追う三回2死一、二塁。「とにかく次につなごうと思った」と高めの速球を振り抜く。逆転の3点本塁打に「逆方向への長打は自分の持ち味」と全身で喜びを表現した。

 豪快なガッツポーズには伏線がある。3安打を放ち勝利に貢献した今月3日の日本ハム戦。六回に中堅フェンス直撃の一打を放つと、本塁打と早とちりした山本は走りながら右手を上げかけやめた。

 「恥ずかしかった、生意気でした」

 この日は最後まで打球の行方をしっかりと見届けて右拳を高らかに掲げた。「あんな大声援を受けたことがない。また打ちたいなという気持ちになった」。満面の笑みだった。

 大卒4年目の今季、4月12日に支配下登録を勝ち取った。直後は「打ちたい、打ちたい」と空回り。持ち味を出せず2週間で2軍に降格したが、7月上旬の再昇格後は肩の力も抜けて、長打力と広角に打ち分ける自慢の打撃力を発揮している。

 小久保裕紀監督は「出塁率が高く、広角に打てるし、選球眼もいい。若い選手が結果を出すとチームの底上げ、活性化にもつながる」と山本に期待する。小さいころに憧れた「ヒーロー」の目の前で山本の高い潜在能力が開花しつつある。【角田直哉】

毎日新聞

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