圧巻の114球 7年目左腕が新生ENEOS中心に 都市対抗西関東

2025/07/14 23:02 

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 ◇第96回都市対抗野球大会西関東2次予選・第1代表決定戦(14日、横浜スタジアム)

 ◇○ENEOS5―0東芝●(ENEOSは6年連続55回目の出場)

 高卒で社会人の名門ENEOSに足を踏み入れて7年目。「今が一番いい」と充実の時を迎えた左腕・阿部雄大が圧巻の投球を見せた。

 一回に1死から2番・大庭樹也(たつや)に右前打を打たれた。続く打者から三振を奪うと、捕手の有馬諒が盗塁を仕掛けた大庭を二塁で刺して併殺にした。阿部は仲間の堅守に助けられて乗った。

 切れのある直球にスプリットなどの変化球を効果的に織り交ぜて手玉にとった。六回まで全て3者凡退に仕留め、七回は先頭打者に2本目の安打を許し、四球などで初めて三塁に走者を置いたが、得点は許さなかった。

 完封を目前にした九回に2死から連打を浴びて降板したものの、第1代表に導く見事な114球。宮沢健太郎監督も「ナイスピッチングだった」と力投をたたえた。

 山形・酒田南高から入社した。1年目は秋の日本選手権で先発を任されたが、投球中に肩を負傷した。その後もケガがつきまとい、安定した投球ができなかった。

 活躍する仲間の姿に「追いつきたい」との思いを持ち、体に関する知識を身につけて投球フォームを改善した。「チームのために結果を出したいとずっと思っていた」。昨季から制球力が増し、先発の柱の一人としてはい上がった。

 2022年に史上最多12回目の優勝に導いた大久保秀昭監督が退き、今季から宮沢監督にバトンが渡った「新生ENEOS」。たくましくなった若い力の中心には頼もしい左腕がいる。【円谷美晶】

毎日新聞

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