「2次関税」導入なら中国、インドに直撃 米政権が対露制裁転換
14日にトランプ米大統領が表明した対ロシア制裁の方針は、実行されれば、大量の露産原油を輸入している中国やインドを直撃する。ロシアが50日以内にウクライナとの停戦合意に応じなければ、米国は、ロシアと取引する国に「2次関税」として100%の関税を課す構えだからだ。
◇ロシア経済を支える中国
トランプ米政権が2次関税の導入に踏み切れば、ロシアにとって最大の貿易相手国である中国への影響は計り知れない。中国外務省の林剣副報道局長は15日の記者会見で「“関税合戦”に勝者はなく、脅迫や圧力では問題を解決できない」と米側を批判した。
ウクライナ侵攻後、中国は、ロシアの戦時経済を支える存在となっている。習近平国家主席は15日、訪中したラブロフ露外相と会談し、改めて中露連携の重要性を強調した。
中国メディアによると、2024年の中国のロシアからの輸入額は1293億ドル(約19兆円)で21年と比べて1・6倍に拡大した。その中心はエネルギー資源だ。中国にとって、今やロシアは最大の原油供給国であり、天然ガスでも主要な輸入元の一つとなっている。
中国がロシアに支払う代金は、ウクライナ侵攻の巨額の戦費に回る構図と言える。
「ロシアがウクライナとの戦争に敗れる事態は見たくない」。王毅外相が最近、欧州連合(EU)高官にこう伝えたと、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは報じた。
一方で、習指導部は欧米による対露制裁に中国が巻き込まれる事態は望んでいない。ロシアへの直接的な兵器供与の疑惑は一貫して否定してきた。
トランプ氏の発言通り「100%の関税」の2次関税が発動すれば中国経済への打撃は必至だ。ただでさえ、米国とは関税を巡る激しい駆け引きの最中であり、米中間の火種がまた一つ増えたと言えそうだ。
◇警戒するインド
ウクライナ侵攻を巡って、インドは中立的な立場を維持してきた。インドにとってロシアは伝統的な友好国であり、制裁で値崩れした露産原油を買い増し、自国の利益につなげてきた。
インドメディアによると、22年の侵攻前はインドにおける露産原油の輸入シェアはわずか1%程だったが、現在は約40%に跳ね上がっている。露産原油購入への批判に対しては、インド政府は「世界のエネルギー価格の安定に貢献している」とかわしてきた。
米国からの新たな圧力の流れに、インドは警戒している模様だ。
先に、米連邦議会でも、露産原油などを輸入する国に500%もの高関税を課せるようにする法案の成立を目指す超党派の動きが出ている。ジャイシャンカル印外相は2日、米側に懸念を伝えたと明らかにした。【北京・河津啓介、ニューデリー松本紫帆】
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