オーストラリア南東部ビクトリア州で起きた保育士による乳幼児への性的虐待事件で、州保健当局は１５日、新たに８００人以上の子どもを性感染症検査の対象に加えたと発表した。既に対象となっていた約１２００人と合わせ、検査対象者は２０００人を超えた。

　ニュースサイト「豪ガーディアン」などによると、州警察が今月初め、メルボルン在住の保育士ジョシュア・ブラウン容疑者（２６）を逮捕・訴追したと発表し、事件が明らかになった。勤務先の保育施設で、生後５カ月～２歳の子ども８人に性的暴行を加え、児童ポルノを撮影するなどした疑いが持たれている。

　ブラウン容疑者は２０１７年から今年５月にかけて、メルボルン市内の少なくとも２０カ所の保育施設で勤務していたとされる。州保健当局は当初、在籍していた子ども約１２００人に感染症検査を受けるよう呼びかけていた。

　その後の捜査で、新たに４カ所の保育施設でも勤務していたことが判明し、子ども８００人以上が検査対象に追加された。

　また２年前、容疑者が別の保育施設で子どもの腕や足を無理やりつかんだとして停職処分を受けていたことも明らかになった。施設は当時、州警察に情報を提供したが、調査は行われなかったという。その後も容疑者は別の施設で勤務を続けており、対応の不備に批判が集まっている。【バンコク国本愛】