わずか3日で1000万円 県実施の「紫電改」保存CFに反響 愛媛
日本国内に唯一現存する旧日本海軍の戦闘機「紫電改」。老朽化した展示施設の建て替えに伴い、機体の移設資金調達のために愛媛県が実施しているふるさと納税型のクラウドファンディング(CF)に、わずか3日間で初回の目標額(1000万円)が集まった。戦争遺産である機体に負荷をかけずに移設するための費用で、17日現在の寄付額は2000万円を超える。最終目標額(3800万円)に迫る勢いで、県の担当者は「こんなに早く到達に近づくとは」と驚く。紫電改は25日には、歴史的・文化的に価値の高い航空遺産を認定する「重要航空遺産」に中四国で初めて認定される予定だ。
紫電改は、敗戦が濃厚となった太平洋戦争末期、旧日本海軍が本格導入した当時としては最新鋭の戦闘機。本土防衛のため、旧松山海軍航空基地を拠点とする航空隊に配備された。生産量は約400機とされるが、現存しているのは4機(うち国内では1機)のみ。
その1機は、愛媛県愛南町で1978年に発見された。45年7月24日の米軍機との空中戦で同県の久良湾に不時着し、水深41メートルの海底に沈んだ機体とされ、地元ダイバーが発見した。県が79年7月、34年ぶりに引き揚げた際には、プロペラが4本とも折れ曲がるなどしていたが、ほぼ原型のままだったという。
県は戦争の悲惨さを伝える遺産として残そうと、機体を修復し、同町に展示館を建設して80年から公開。だが、開館から半世紀近くがたち、施設が老朽化したことなどから、2023年度に隣接地への建て替えを計画した。26年度の完成を目指しているが、機体を調査した結果、移設には補強や専用架台で運ぶなどの慎重な作業が必要になることが判明。資材価格の高騰もあり、総事業費は約9億7000万円(移設費4800万円)まで膨らんだため、移設費の一部として寄付を募ることにした。
CFの目標額は高額のため、2段階(初回目標額1000万円、最終目標額3800万円)で設定した。機体の模型やピンバッジなどの返礼品も用意し、7月1日からスタート。達成にはある程度の時間がかかると想定していたが、同3日に初回目標額に到達。同17日午後5時現在の寄付額は計2293万円(寄付者965人)で、県の担当者は「戦後80年ということもあり、注目度が高まったのでは」と分析する。寄付額が目標額を超えた場合は、展示内容の充実などに充てる予定だ。
一般財団法人「日本航空協会」(東京都)が認定する重要航空遺産には、開発当時としては先進的な技術を備え、今も現存している点などが評価され選ばれた。国内では13例目で、25日は現地で認定証が授与される。愛媛県の中村時広知事は「(機体には)戦争の痛ましい歴史が刻まれている。認定を機に多くの人に展示館へ足を運んでほしい」とする。
CFは9月5日午後11時まで、専用サイト(レディーフォー)で受け付け中。問い合わせは県都市整備課(089・912・2745)。【広瀬晃子】
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