ダニエル・オストさん、「舞妃蓮」で創作 日本橋高島屋で展示

2025/07/18 21:59 

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 「舞妃蓮(まいひれん)の舞」をテーマに、ベルギー出身の世界的なフラワーアーティスト、ダニエル・オストさん(70)の作品が、東京都中央区の日本橋高島屋S.C.本館1階で展示されている。和歌山県御坊市で生まれたハスの品種「舞妃蓮」を用いた新作だ。「バレリーナのように優雅なこのハスの魅力を引き立てるのが私の役目」とオストさんは話す。

 舞妃蓮の生みの親は、御坊市の高校教諭だった故阪本祐二さん。国産の大賀ハスと米国産の黄花ハスを交配させて1968年に開花に成功。朝、花弁が開き、夕方には閉じるが、花弁がねじれるように開閉するのが特徴だ。

 伝統とモダン、東洋と西洋の融合など独創的な作風で「花の芸術家」と呼ばれるオストさんは、幼少期から植物に親しみ、フラワーアレンジメントの道に。これまでベルギー王室の結婚式や万国博覧会の装飾などを手がけてきた。初来日は83年。「日本では植物の心や魂と向き合いながら花を生けている」と感じ、以後、来日を重ねている。

 「最も好きな花はハス」と言い、昨年7月、東京のベルギー大使館で作品を発表した際、舞妃蓮と竹を使ったアレンジメントで会場を装飾した。今回は高島屋本館1階の正面ステージに、舞妃蓮の群舞のような空間を演出した。オストさんは「このハスは、花の先端が薄いピンク色をしているが、最後はそれが白くなって散っていく。そうした花の命のうつろいが私の心に深くしみる」という。

 22日まで。期間中はオストさんの花と竹によるオブジェなども展示。【明珍美紀】

毎日新聞

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