終戦直後の女子学生「昭子」、AIで再現 「恋バナ」ラジオ放送へ
終戦直後に二十歳だった女子学生の「昭子」と、現代の学生が「恋バナ」をするラジオ番組が10日、放送される。「昭子」は取材や日記などの資料を基にAI(人工知能)で生成した。
戦後80年を機に「もっと若者が戦争に関心を持ってほしい」との思いから、金城学院大の学生とエフエム愛知が取り組んだ。
国際情報学部の都築徹教授(57)のゼミに所属する3年生9人は、同世代に戦争を「自分事」として考えてもらう取り組みを検討。語り部から体験を聞いたり、当時の映像を見てもらったりするなど従来とは異なるアプローチを模索した。
そこで、80年前の人物と恋愛に関する「恋バナ」をすることを思いついた。若者に共通する話題を通じて、時代背景や当時の暮らし、戦争が与える影響を考えるきっかけになると考えた。
この取り組みに興味を持ったエフエム愛知が加わり、共同でラジオ番組を制作することになった。今年で100歳となる人との「恋バナ」は難しいと判断。チャットGPTを活用することになり、広告系のスタートアップ「Tetra Tokyo」(東京)が協力した。
学生たちは昭子を生成するため、半年ほどかけて10人以上の90~100歳の人と会って当時の恋愛事情を取材。名古屋市名東区にある戦争と平和の資料館「ピースあいち」では、戦時中に19歳だった人が日常を書き留めた日記を書き写した。
長島理子さん(20)は「日記は小説を読んでいるみたいだった」と振り返る。インタビューした人たちは「一途、恋愛に興味なし、恋多き人」と多種多様だったという。
ラジオ番組は昭子とAIの生成に携わっていない学生3人が「恋バナ」を繰り広げる内容になっているという。
黒澤結安(ゆあ)さん(21)は「番組の制作を続ける中で、風化する戦争の記憶に危機感を抱くようになった。恋を通して、当時と今の違いや戦争について考えるきっかけになれば」と話す。
「FM AICHI」の特別番組「ハタチと二十歳~AIを使って80年前のあの子と恋バナしたい!~」の放送は、10日午後7時から30分間。放送から1週間後までは、「radiko(ラジコ)」でも聴ける。【黒田麻友】
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