いじめSOSの提出物に「Good job」ハンコ 中3自殺で両親が提訴
静岡県焼津市立中学に通っていた3年の女子生徒(当時14歳)が同級生からいじめを受け、教員らが適切な対応を怠ったために自殺したとして、女子生徒の両親は29日、市に約7000万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁に起こした。女子生徒は亡くなる前、提出物を通じて「また、いじめにあうかも」と学校側にSOSを出していたが、担任は「Good job!」とハンコを押して返却していたという。
訴状などによると、女子生徒は2022年4月に市内の別の中学校から転校してきた。同級生から「きもい」「うざい」と悪口や陰口を言われたり、描いた絵を破かれたりした。女子生徒は9月、自ら命を絶った。
市教委が設置した専門家による調査委員会は、こうした同級生のいじめが日常的にあったと認定。23年に報告書をまとめている。
両親の代理人弁護士によると、女子生徒は転校直後から提出物を通じて、死ぬ願望やいじめがあったと学校側に示唆していた。道徳の授業では、22年4月下旬に「とても辛(つら)くて死にたくてどうしようも無くなんで自分は生きているのだろうと思っていた」とプリントに記入。7月中旬にも道徳のプリントに「本当の自分は出さない。また、いじめに合うかもしれないから」と書いて提出したが、担任でもある教師は「Good job!」のハンコを押して返却し、内容に関する確認を女子生徒にしなかったという。
女子生徒はいじめを受けていることを家族に打ち明けていなかった。ただ、学校の対応に疑問を示すことがあり、7月ごろに「スルーされた。学校の動きがなかったので諦めた」と話していたという。両親側は「娘は学校に無視されたと感じ、さらに多大な精神的苦痛を受けた。学校管理下における精神的苦痛が自殺を招いた」と因果関係を主張し、生徒への注意義務を怠った学校側の責任を求めている。
提訴後に記者会見した父親(60)は「家族思いでムードメーカーだった優しい娘に二度と会えない。学校、市教委には不信感しかない」と語った。
市教委の羽田明夫教育長は提訴前に開かれた市長会見で、訴訟について「内容が把握できておらずコメントは控える」とし、市教委の対応については「報告書を真摯(しんし)に受け止め、再発防止策を講じてきた」と述べた。【藤渕志保、丹野恒一】
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