日米関税合意で自動車企業の不安和らぎ 9月の日銀短観改善

2025/10/01 18:25 

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 日銀が1日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が、大企業・製造業で前回6月調査(プラス13)から1ポイント改善しプラス14だった。改善は2四半期連続で、2024年12月と並ぶ水準となった。トランプ米政権の高関税措置を巡る日米交渉の合意を受け、自動車など関連企業の不安感が和らいだ。

 ただ、3カ月後の景況感を聞く先行きDIは、2ポイント悪化のプラス12。「トランプ関税」の影響が今後表面化するとの懸念は根強い。

 今回は7月下旬の日米関税交渉合意後初めての短観。業種別では、4月以降27・5%だった自動車関税が15%に引き下げられたことを受け、自動車が2ポイント改善しプラス10となった。生成AI(人工知能)の需要の高まりで好調な半導体などの電気機械も好調で、5ポイント改善のプラス16。一方、50%の追加関税がかかり続ける鉄鋼は11ポイント悪化のマイナス14となるなど、業種により景況感の判断は割れた。

 大企業・非製造業は6月調査から横ばいのプラス34だった。業種別では宿泊・飲食サービスは19ポイント悪化のプラス26。訪日外国人客(インバウンド)需要が鈍り、物価高による消費減速などを織り込んだ。3カ月後の大企業・非製造業全体の先行きも6ポイント悪化のプラス28を見込んだ。【古屋敷尚子】

毎日新聞

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