グレタさんらの船団にイスラエル軍の船が接近 「拿捕を計画」報道も

2025/10/01 18:35 

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 スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんらを乗せてパレスチナ自治区ガザ地区へ向かっている「グローバル・スムード船団」(GSF)は1日、地中海の公海上でイスラエル軍の艦艇が接近し、衝突しそうになったと発表した。軍が「脅迫的な作戦」を行い、「乗組員を危険にさらした」と非難している。

 GSFによると、1日朝、イスラエル軍の艦艇が船団の1隻の周囲を数分間にわたり周回して接近したという。この際、通信機器が妨害電波の影響で使えなくなった。

 その後、別の船も同様に接近を受けたが、いずれも衝突は回避された。船団は引き続きガザに向けて航行している。

 イスラエルメディアによると、軍は船団を拿捕(だほ)する計画を進めている。すべての船を曳航(えいこう)できないため、複数の船をその場で沈没させる可能性があるという。

 この船団はガザに支援物資を届けるため、人権活動家ら約500人が約45隻の船に分乗して地中海を航行している。1日未明にはガザから150カイリ(約280キロ)沖合の「高リスク区域」に入っていた。

 GSFは9月下旬にも、リビア沖付近で無人機(ドローン)によるとみられる攻撃を受けたと発表。これを受け、スペインとイタリアは海軍の船を帯同させた。ただ、イタリアのメローニ首相は船団の航行は米国の和平案の障害になると指摘し、「船団はすぐに止まるべきだ」と批判している。

 グレタさんらは6月にも船でガザを目指したが、イスラエル軍に拿捕されて国外退去となった。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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