640万円「火事場泥棒」の元警察官に懲役3年求刑 火災捜査の責任者

2025/10/01 10:56 

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 火災現場の捜査中に見つけた現金計約640万円を盗んだとして、窃盗罪に問われた元警視庁捜査1課警部、政野亮二被告(51)に対し、検察側は1日、東京地裁で開かれた公判で懲役3年を求刑した。検察側は、捜査1課の中でも放火などの事件性が疑われる捜査を専門的に担う火災犯係の責任者の立場で窃盗を繰り返したとしている。

 起訴状などによると、政野被告は2022年10月~25年1月、火災犯捜査第1係長として東京都内で起きた3件の住宅火災現場に行き、捜査中に見つけた現金計約640万円を盗んだとしている。被告は初公判で起訴内容を認めて謝罪した。

 検察側は公判で、政野被告が事件性がないと確認された現場なら詳しい捜査が入らないと考え、盗みを繰り返していたと指摘。住宅ローンや子どもの学費の支払いが続くことに不安を抱えていたとしていた。

 25年1月に政野被告が火災現場にあったポーチから現金1000円を抜き、ポケットに入れるのを一緒にいた消防隊員が目撃。一連の事件が発覚した。

 警視庁は25年7月、起訴された3件を含む8件の盗み(被害額計約900万円)をしたとして政野被告を懲戒免職処分とした。【安達恒太郎】

毎日新聞

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