カンボジア拠点の特殊詐欺事件に関与したとして日本人２９人が逮捕された事件で、愛知県警組織犯罪特別捜査課は８日、いずれも中国籍の職業不詳、王少凡容疑者（３３）＝埼玉県川口市芝１＝と、妻のスン・ジアシュエン容疑者（２２）＝同＝を組織犯罪処罰法違反容疑で新たに逮捕したと発表した。

　２人は拠点に複数いたとされる中国人指示役の一員とされ、日本語が話せることから、組織幹部などからの指示を日本人らに伝える通訳も担っていたとみられる。

　２人の逮捕容疑は５月２６～２７日、日本人２９人と共謀し、カンボジアから愛知県知多市の男性会社員（４８）に警察官を装いうその電話をかけ、現金５００万円をだまし取ったとしている。当時、２人は拠点にいて、日本人らに直接指示を出していたとみられる。県警は２人の認否を明らかにしていない。

　県警によると、逮捕した日本人らの供述や、押収したスマートフォンの解析などから２人が浮上したという。２人は５月に拠点が摘発された以降も、日本と東南アジアを複数回行き来しており、拠点を管理していた中国人犯罪組織とも密接な関係があるとみられる。【丘絢太】