ロシアでも注目集まる高市早苗氏 「極右思想持つ」などの論評も

2025/10/08 16:46 

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 日本の次期首相に選出される見通しの自民党の高市早苗総裁について、ロシアでも外務省高官の発言やメディアの論評が出ている。日本はウクライナ侵攻を巡って対露制裁を続けており、新政権下で変化が生じるかを露側は注視している模様だ。ただ、専門家からは冷静な見方も示されている。

 露外務省のルデンコ次官は、高市氏について、新首相に選出された暁には「露日関係を含めて、どのような動きをしていくか注目していく」と述べた。タス通信が7日報じた。複数いる次官の中で主に東アジアを担当するルデンコ氏は「(隣国である)日本の対露政策が合理的かつ実用主義的なものになることを常に期待している」とも述べた。

 露主要メディアでは、高市氏の政治姿勢や故・安倍晋三元首相との近さを指摘する記事が散見される。

 コメルサント紙は、高市氏が尊敬するという故サッチャー元英首相の異名になぞらえて、「“鉄の女”の東方版」との見出しをつけ、「超保守派」「極右思想を持つ」と紹介した。

 一方、ベドモスチ紙は、ウクライナでの戦争や北方領土問題に関して、「高市氏は西側諸国や日本社会の総意に沿った立場を取っている」と説明する。露外務省が2022年5月に発表した日本の政財界人らに対する入国禁止リストに含まれていることを指摘した。

 また、モスクワ国際関係大学の日本研究者ネリドフ氏の「新首相の下でも対露外交関係に変化はない。現状では政治対話は行われていないからだ」との見解も紹介している。

 高市氏が「政治の師」と仰ぐ安倍氏は、首相在任中に日露外交に注力し、ロシアでも知られる存在だ。安倍氏とプーチン露大統領は27回の首脳会談を実施したが、北方領土問題の解決には至らなかった。【真野森作】

毎日新聞

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