役所の窓口受付時間を短縮 千葉県内で10自治体以上が導入

2025/10/15 08:45 

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 千葉県内で開庁時間(窓口の受付時間)を短縮する自治体が相次いでいる。2025年度だけで、実施予定を含めて10以上の自治体が導入。職員の働き方を見直すためで、全国的にも同様の動きが広がっている。

 八街市は来年1月5日から開庁時間を60分短縮する。現在の開庁時間は職員の勤務時間と同じ午前8時半~午後5時15分。これを午前8時45分~午後4時半に改め、窓口を開ける前の準備時間と、閉じた後の情報共有などの時間を確保した。

 八街市によると、内部調査で開庁直後や午後4時半以降は訪れる人が少ないことがわかった。市の担当者は「市民課などでは閉庁間際に駆け込まれ、職員が残って対応することが少なくない。働きやすい職場にし、質の高いサービスにつなげたい」と話す。

 役所の開庁時間は自治体に委ねられている。今年7~10月に少なくとも館山、山武、南房総、佐倉、四街道の5市と県税事務所で30~75分短縮。11月には君津市、来年1月から千葉、我孫子、鴨川の3市と長生村も実施する。

 全国では今年度、兵庫県三田市、奈良県生駒市、山口県宇部市、埼玉県北本市などでも短縮を実施している。

 館山市の担当者は「市民から苦情やトラブルはない。短縮は難しいと考えられていたが、『やればできるんだ』という声が職員から出ている」と話した。

 市民はどう受け止めているのか。八街市の70代の自営業の男性は「市民に不便を強いる分、サービスを向上させてほしい」と話した。一方、仕事で訪れたという50代女性は「良いことだ。市役所がきっかけで働き方改革が民間にも広がってほしい」と期待した。

 千葉県の担当者によると、市町村の開庁時間は把握していないという。各種手続きのオンライン化と合わせて検討する自治体があり、「開庁時間の短縮は今後増えるのではないか」と話している。【合田月美】

毎日新聞

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