「飛び地」の村の“顔が見える予防医療” 全国の過疎地が熱視線
人口300人台の和歌山県北山村。面積の9割以上が山林で、国内唯一の「飛び地」の村でもある。高齢化も著しいが、その医療提供体制が注目されている。「村民一人一人の顔が見える予防医療」を掲げる、きめの細かい対応だ。10月には複数の全国の学会で村の取り組みの発表や講演が行われた。和歌山市の和歌山城ホールで開かれた第65回全国国保地域医療学会の壇上に上がった村内の医療関係者の発表に耳を傾けた。【加藤敦久】
◇平均65歳のヘルパー6人が50人支え
「飛び地の村で、他市町村からサービス提供が難しい。村の高齢者は自分のことは自分でできる自立した生活を求められています」
全国の国民健康保険診療施設関係者らが集まった10月3日の医療学会で、北山村唯一の診療施設である国保北山村診療所の看護師、広野みささんが、地元の実情などを報告した。
同学会の今回のメインテーマは「人口減少地域の生活を守る地域包括医療・ケア」。広野さんは「村内には要介護・要支援者が約50人おり、平均65歳のヘルパー6人が支えている」と支援体制が限られていることを明かした。
このため、介護予防が欠かせず、日常的に体力増強を目指す「シニアエクササイズ」の推進活動を報告した。60代前半~80代後半の24人が参加し、毎週金曜日に実施している。
以前は参加者が整列して、前に立つ指導者の動きを見習っていたが、身体機能や認知能力、意思疎通にバラつきがあり、参加しても見よう見まねだけしている高齢者もいたという。
無理せず安定した姿勢で運動できるようにストレッチを座位に変更し、そのまま筋力トレーニングも座位で行うことにした。並びも円形にすることで一体感を高めるとともに、理学療法士やスタッフが個々に助言しやすくなり、どこを鍛えているかを参加者に意識させ、効果的な運動ができるようになったという。
また、看護師の榎本杏奈さんは「救急要請から救急車到着まで約30分、中核病院への搬送まで山道を約60分かかる」と説明し、往診先からの緊急搬送時などに初期対応するため、ポータブル心電図から検査、点滴のセットなどを入れる救急バッグが重要となるという。内容は定期的に精査して充実させる一方、「重さが25キロを超え、効率化が課題」と報告した。会場には全国の過疎地域などから医療関係者が訪れ、北山村の報告に対して、青森県や奈良県から訪れた関係者が質問や提言をしていた。
会場で聞いていた泉清久村長は「小さい村だからできることがある一方、遠隔地であるのでやらなければいけないこともある。本日は発表した上で、意見も聞けた。村を支える医療関係者の励みになってくれればいい」と話していた。
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