公式確認から70年、水俣病の記録継承を議論 患者団体や医師ら集会

2026/01/10 19:04 

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 水俣病問題をめぐり研究者や患者団体、医師や弁護士らが意見を交わす水俣病事件研究交流集会が10日、熊本県水俣市で始まった。熊本学園大水俣学研究センター(熊本市)の主催で今年で20回目。1956年の公式確認から70年となる水俣病について、患者の現状や記録の継承に関する課題などを報告し、約110人が参加した。11日まで。

 東京経済大の尾崎寛直教授らの発表グループは、ヘルパー不足などを背景に訪問介護を取りやめる事業所が出た水俣市の状況を説明。「事業所は疲弊し、あと5年もつかどうかというところもある。自治体独自の福祉サービス支援を上乗せすべきではないか」と述べ、患者の生活を支えるため市が積極的に取り組む必要性を訴えた。

 岡山理科大の林美帆准教授は、イタイイタイ病など公害資料の保存施設などでつくる「公害資料館ネットワーク」が実施したアンケート結果を紹介。全国28施設の6割が財源面から活動継続に不安を示していることを伝え、住民の活動記録などの保存に向けた専門職の配置や行政支援の必要性を指摘した。

 11日は係争中の水俣病訴訟に関する医師や弁護士らの発表などがある。水俣学研究センターのホームページから視聴可能。【西貴晴】

毎日新聞

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