厚労省、長生炭鉱を初視察 安全性調査、専門家は「10億円超必要」

2026/01/31 20:09 

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 戦時中の水没事故で朝鮮半島出身者を含む183人が死亡した山口県宇部市の長生(ちょうせい)炭鉱を巡り、国の担当者が30日、専門家を伴い初めて現地を視察した。同席した市民団体が31日に明らかにした。専門家は、遺骨収容作業の安全対策に向けた調査に10億円超を要するとの見解を示したという。

 「長生炭鉱の水非常(みずひじょう)を歴史に刻む会」によると、厚生労働省の担当者など9人が坑口(坑道への出入り口)と海岸から海面に突き出た「ピーヤ」(排気・排水用の円筒)を確認した後、海洋工事や海底地形、地質構造などの専門家と刻む会が意見交換をした。専門家は安全対策として刻む会の想定とほぼ同様の内容を挙げ、海底調査が5000万円、ボーリング調査が10億円以上と試算した。潜水業務については「国内で同じような閉鎖環境での経験者がおらず、支援できる状況にはない」と述べたという。

 国はこれまで安全性などを理由に、調査に否定的な姿勢を取っている。刻む会の井上洋子代表は「私たちが安全に調査していることが専門家に伝わり、危険という(国側の)認識は薄まったのではないか」と語った。【綿貫洋】

毎日新聞

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