「次女は悼むのが目的」 2審もオウム・松本元死刑囚遺骨引き渡し命令

2026/02/05 19:45 

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 2018年に死刑が執行されたオウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の次女が、元死刑囚の遺骨などの引き渡しを国に求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は5日、引き渡しを命じた1審・東京地裁判決を支持し、国側の控訴を棄却した。教団の後継団体に遺骨が渡れば、公共の安全の脅威となる恐れを認めつつ、次女が厳重な管理を約束していることから国の保管を認めなかった。

 鹿子木康裁判長は「次女は父を悼む目的で引き渡しを求めている」と判断した。18年7月に刑が執行された松本元死刑囚の遺体は火葬され、国が遺骨と遺髪の保管を続けている。判決確定までは国に遺骨引き渡しの義務は生じない。

 高裁判決は、次女が警備会社と契約した自宅マンションの金庫で遺骨などを保管するとし、異常があれば警察に連絡する意向を表明しているとした上で、次女には後継団体に遺骨を渡さない意思があると指摘。後継団体が次女の住居を聖地化したり、遺骨を奪う計画を立てたりといった動きがあっても、警察が次女と協力して対応すべき問題だとした。

 遺骨や遺髪が後継団体などに強大な求心力の源泉として利用される恐れは認めたものの、こうした危険性を考慮しても、次女の所有権を国が制約することはできないと結論づけた。

 国は「判決内容を十分精査し、適切に対応したい」とコメント。次女は「国には、速やかに遺骨を引き渡すことを求める」とした。

 24年3月の東京地裁判決は国の危険性の主張には裏付けがなく、抽象的な可能性の域を出ないとして遺骨の引き渡しを命じた。元死刑囚の家族が遺骨と遺髪の所有権を争った家事審判では、次女に所有権があるとする判断が21年7月に最高裁で確定している。【安元久美子】

毎日新聞

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