裁判長「初歩的注意怠った」 うつぶせ寝で乳児死亡、職員に有罪判決

2026/02/12 17:54 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 東京都世田谷区の認可外保育施設「託児ルームバンビーノ」(現在は閉鎖)で2023年、生後4カ月の乳児をうつぶせに寝かせて死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた元施設長、野崎悦生被告(60)に対し、東京地裁は12日、禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年6月)の有罪判決を言い渡した。元職員でともに起訴された悦生被告の長男、舜介被告(25)は禁錮10月、執行猶予3年(求刑・禁錮10月)とした。

 今井理裁判長は、被害者の真渚己(まさき)ちゃん(名字は非公表)は寝返りができず、うつぶせで寝かせれば布団で鼻や口をふさがれて窒息する恐れがあったと認定。「乳児を保育する際の初歩的な注意を怠った」と批判した。

 判決によると、悦生被告は乳児をあおむけに寝かせるよう職員への適切な指導を怠った過失、舜介被告は真渚己ちゃんを漫然とうつぶせに寝かせて状態を確認しなかった過失で、23年12月13日午後に真渚己ちゃんを窒息死させた。

 当時は0歳児5人を含め計9人を預かっていたが、悦生被告が外出し、舜介被告と別の職員の2人で対応していた。舜介被告には知的障害があり、突発的な状況への対応が苦手という特性があった。

 判決は、舜介被告の過失は悦生被告の外出で誘発されたとし、「強くは責められない面もある」と指摘。一方で、悦生被告は真渚己ちゃんの母親から「うつぶせで寝かせないで」と強く要望され、舜介被告の特性を理解する立場にあったことから「過失は数段重い」と判断した。ただし、起訴内容を認めて謝罪していることなどを考慮して刑の執行を猶予した。

 判決後、30代の両親が記者会見を開き、母親は「これは『うっかり』の事故ではなく、ずさんで危険な保育をやってきた結果だ。施設ではうつぶせ寝が常態化し、危機意識もなかったのだろう。判決は軽すぎる」と憤った。

 父親は「寝返りができない乳児の対応や安全確認を見直すきっかけになってほしい」と訴えた。【安達恒太郎】

毎日新聞

社会

社会一覧>