危険・酒酔い運転に数値基準、飲酒運転厳罰化へ 法案を閣議決定
政府は31日、自動車運転処罰法と道交法の改正案を閣議決定した。適用要件が曖昧との批判があった飲酒の影響による危険運転致死傷と、酒酔い運転に数値基準を設け、飲酒運転を実質的に厳罰化する。高速度の運転についても数値基準を設け、危険運転の適用要件を明確化させる。
現行法は危険運転について「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」、酒酔い運転は「アルコールの影響で正常な運転ができない恐れがある状態」と定めている。要件が曖昧なため「処罰逃れ」につながっているとの指摘があった。
危険運転を規定した自動車運転処罰法改正案は、数値基準を「呼気1リットルあたり0・5ミリグラム(血液1ミリリットルあたり1・0ミリグラム)以上のアルコール濃度」とした。一般的にビール大瓶2、3本の飲酒で達する可能性がある数値とされる。現行の「正常な運転が困難な状態」の要件も削除せず、数値基準を下回った場合でも危険運転を適用できる余地を残した。
酒酔い運転を規定した道交法改正案も数値基準は危険運転と同じとし、「正常な運転ができない恐れがある状態」の要件も残した。危険運転、酒酔い運転ともに数値基準をオーバーしていれば、原則立件対象となる。
警察庁によると、2025年の酒気帯び運転の摘発は1万9515件だったのに対し、酒酔い運転は884件にとどまる。高い数値が確認されても「足元がふらつく」「ろれつが回らない」といった状況がなければ適用しにくい面があったが、要件が明確化されることで適用しやすくなり、実質的な厳罰化となる。
罰則は自動車運転処罰法、道交法ともに変更せず、危険運転致死傷の上限は拘禁刑20年、酒酔い運転は同5年のままとなる。
また、自動車運転処罰法改正案では危険運転が適用される高速度の運転について、2区分の数値基準を設けた。最高速度が時速60キロを超える道路は60キロ超のスピード超過、最高速度が時速60キロ以下の道路は50キロ超のスピード超過で人を死傷させる事故を起こした場合に適用される。例えば最高速度が時速60キロの一般道では時速110キロ超えの死傷事故が対象になる。
「殊更にタイヤを滑らせる、浮かせる」ことにより進行を制御することが困難な状態で走行する「ドリフト走行」も新たに危険運転の対象とした。【巽賢司、深津誠】
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