糸谷八段「最後まで粘れてよかった」敗れても充実 名人戦第1局
東京都文京区のホテル椿山荘東京で8日から指されていた第84期名人戦七番勝負の第1局(毎日新聞社など主催)は9日、藤井聡太名人(23)が挑戦者の糸谷哲郎八段(37)に勝ち、4連覇に向けて幸先のいいスタートを切った。
終始苦しい展開を強いられた糸谷八段は終局後、「途中折れることなく最後まで粘ることができた」と、敗れても充実感をのぞかせた。
報道陣との主なやり取りは次の通り。【丸山進】
◇開幕局でやりたかった作戦
――初手から1六歩~1五歩の2手を指した意図は。
糸谷八段 端歩の位(くらい)を取って指すというのが、ある種プラスではあるので、作戦のうちの一つだが、端歩というのはちょっと象徴的な意味合いもあるので第1局で指したかった。
――2八飛~5八飛(19~21手目)の感触は。
◆2八飛は悪手だとは思ったが、一番類例のない将棋にできるかなと思い、力将棋を9時間で指したかったので選んだ。思ったより悪かったかもしれない。
――その後、封じ手まで振り返って。
◆ずっとつらい進行ではあったが、決戦筋で負けないように組み立てていった。8四歩(37手目)もちょっとつらいところだが、仕方ないかなと思いながら指していた。
◇もう少し楽しい将棋に…
――2日目の展開を振り返って。
◆粘って粘ってずっと苦しかったと思う。最後、7六銀(107手目)がよく見えたが、3五桂(108手目)をうっかりしていた。まだ6六歩から粘れていたら、もうちょっと楽しい将棋にできていた。そこまでずっと粘っていたので反省だ。悪いは悪いと思うが、まだラリーを続けられたかなと。
――一瞬、難しくなったと思ったか。
◆実際には悪いのかもしれないが、人間としては飛車が取れれば詰めろがかかりやすくなる展開なので、飛車を召し捕ってこっちが押さえられるかどうかの未来もあった。銀を離すならここで離してしまった方がいいと思って、6六歩と突かずに7六銀、9五飛、9六歩、9四飛、8五銀みたいな展開にできればと思ったが、3五桂をうっかりした。
――初めて持ち時間9時間の将棋を指した。
◆9時間は初めてなので、どこまで自分がやれるか試してみたかった。最後の数分は負けになってしまったが、1局目は1局目で燃焼できた。途中折れることなく、最後まで粘れたのはよかった。
――第2局に向けて。
◆各局各局、新しい構想と人間の粘りを見せていけたらなと思っている。
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