エホバ信者が名古屋市立大を提訴 無輸血理由に手術拒否され

2026/04/30 13:47 

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 宗教団体「エホバの証人」の信者であることを理由に前立腺がんの手術を断られ、精神的苦痛を受けたとして、名古屋市の男性が、同市立大付属東部医療センター(同市千種区)を運営する名市大に330万円の損害賠償を求め名古屋地裁に提訴した。1月28日付。

 訴状などによると、男性は2024年8月、前立腺がんの疑いで同院を受診し、宗教上の理由で輸血を受け入れないことを伝えた。担当医から「輸血リスクは1~5%未満」との説明があり手術を予約したが、その後「病院の方針で無輸血手術はできない」と告げられた。別の医療機関を紹介されることもなく、男性は後日、別の民間病院で輸血することなく手術を受けた。

 男性側は、正当な理由なく治療を拒否したとして「公的病院としての義務違反で、基本的人権が侵害された」と主張。男性の代理人弁護士は「患者の宗教上の信念に沿った治療は実施可能だったはずだ」と訴えている。

 東部医療センターは時間的猶予がある場合などは「患者の宗教的信条等を尊重する立場から、輸血せず、転院を勧める」との方針を示しているが、男性側は「差別的」と批判している。名市大は毎日新聞の取材に「係争中につきコメントは差し控える」とした。

 大津地裁でも1月、エホバの証人の女性信者が、輸血を巡り手術を拒否されたとして滋賀医科大を相手に提訴している。【川瀬慎一朗】

毎日新聞

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