「新たな裁判像を」 司法ニーズ増大、憲法記念日で最高裁長官

2026/05/03 05:00 

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 最高裁の今崎幸彦長官は3日の憲法記念日を前に記者会見した。社会の構造変化や価値観の多様化に伴い司法に対する国民のニーズが増大しているとし、5月21日から全面的に始まる民事裁判のIT化などを通して「新たな裁判像を定着させることが重要だ」と語った。

 日本国憲法は3日に施行から79年を迎え、11月には公布から80年となる。今崎長官は、紛争を適正・迅速に解決することで裁判所は「『法の支配』を実現し、国の発展と国民生活の安定を支えるよう努めてきた」と評価した。ただし、内外の情勢が急速に不安定化しているとし、「既存の秩序に揺らぎが見られる。安定的な社会機能維持へのニーズが高まっている」との認識を示した。

 進化を遂げる生成AI(人工知能)については「使う側の力量も試されている」として「猛獣」と表現した。裁判事務の中でどのように活用できるのか検討を進める考えを示した。

 大川原化工機の冤罪(えんざい)事件を巡り、被告の立場のまま病死した元顧問に対する保釈判断が適切だったのか、遺族側が4月に国家賠償訴訟を起こした。今崎長官は保釈について「証拠隠滅や逃亡の恐れという未来の予測であり、難しい判断を求められている。裁判官一人一人が職責を果たすために判断のあり方を検討する必要がある」と語った。【安元久美子】

毎日新聞

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