宇宙からのちり、急増の時期を発見 カナダの巨大隕石と関係か

2026/05/11 18:57 

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 宇宙から地球に降り注いでいる微小なちり「宇宙塵(じん)」が、2億年以上前に急激に増加した時期があることが明らかになった。同じ時期に現在のカナダに巨大な隕石(いんせき)が衝突しており、関連している可能性があるという。九州大と東京大の研究チームが11日、日本学士院紀要に発表した。

 宇宙塵は宇宙空間をただよう直径1ミリ以下の微粒子。小惑星同士の衝突や彗星(すいせい)が発生起源とされ、年間1万6000トンが地球に降下している。直径0・05ミリ以下の微小なちりは太陽風由来のヘリウム(ヘリウム3)を多く含むため、地層に含まれるその量を分析することで、宇宙からの降下量を推定できる。

 過去1億年程度の降下量は明らかになっていたが、今回は恐竜や哺乳類が出現した三畳紀(2億5190万年前~2億130万年前)に着目。後期三畳紀の深海底の地層が露出した岐阜県坂祝町と大分県津久見市の地層を調べた。地層を構成する堆積岩(たいせきがん)を分析すると、2億1600万年前~2億1500万年前に、ヘリウム3が急激に増えていた。

 約2億1540万年前には現在のカナダ・ケベック州に巨大隕石が衝突し、今も直径約100キロの「マニクアガン・クレーター」が残る。チームはこの隕石のもとになった小惑星が宇宙空間で破砕したことが原因で、宇宙塵が大量発生した可能性があるとしている。

 また数百万年にわたって、通常の2~3倍に降下量が増える変動があることも確認した。九州大の尾上哲治教授(地質学)は「宇宙塵は太陽系で起きた大規模なイベントを記録している。さらに広い時代に(今回の)手法を適用し、太陽系の歴史を明らかにしたい」と語る。宇宙塵は地球の気候や生物の進化にも影響を与えている可能性が指摘されており、地球史の理解にも役立てたいとしている。【木許はるみ】

毎日新聞

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