不正会計のニデック、監視委が検査へ 金融庁への勧告も視野
不正会計が明らかになっている東証プライム上場のモーター大手「ニデック」(京都市)に対し、証券取引等監視委員会が金融商品取引法に基づく検査に入る方針を固めた。既に予備的な調査に着手しており、今後、有価証券報告書に虚偽記載が無かったかなど調査を本格化させる。関係者への取材で判明した。金融庁への勧告などを視野に進め、悪質性が高いと判断すれば刑事告発も検討する。
ニデックを巡っては、海外子会社などで会計不正を疑われる事案が相次ぎ、ニデックは2025年9月に第三者委員会を設置。第三者委が4月に複数の不正会計が確認されたとする調査結果を公表している。
関係者によると、第三者委の調査を受けてニデックの26年3月期決算の公表は遅れており、監視委は市場への影響を避けるためにニデックの決算作業を優先させていた。作業にめどが立ちそうなことから、監視委は環境が整い次第、有価証券報告書や届け出書などに関わる資料の開示を求め、担当者からも事情を聴く。
法令違反が確認されれば、金融庁に課徴金の納付命令を勧告するなどの対応を検討するほか、粉飾の態様が悪質であれば、強制力を伴う「犯則調査」に移行することもありうる。監視委は既にニデックの同意を得て、第三者委に接触するなど事前調査を進めている。
◇創業者の永守氏の要求背景か
第三者委の調査報告書によると、不正会計による最終(当期)利益の水増しは25年4~6月期までの累計で1607億円にのぼり、業績の下方修正で必要となる減損処理額は2500億円規模になる見通し。
不正の手法は、資産性のない棚卸し資産の評価損回避▽固定資産の減損回避▽費用の繰り延べ▽売り上げの前倒し計上――など多岐にわたり、創業者の永守重信氏(81)が求めた高い目標達成のプレッシャーが背景にあったと指摘されている。
不正会計疑惑を受け、東京証券取引所は25年10月にニデック株を「特別注意銘柄」に指定。永守氏は25年12月に代表取締役グローバルグループ代表から名誉会長に退き、26年2月には名誉会長も辞任している。
ニデックは1973年に日本電産として設立され、98年に東証上場。23年に現在の社名に変更した。東京商工リサーチによると、ハードディスクドライブ(HDD)用モーターでは世界トップシェアを握る。25年9月発表時の同年3月期のグループ連結決算は、売上高が2兆6078億円で過去最高を更新し、営業利益は2381億円、最終利益は1643億円としていた。【山田豊】
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