アイヌ側の控訴棄却 サケ捕獲巡る「先住権」訴訟で 札幌高裁
北海道浦幌町のアイヌ民族の団体が、地元河川でのサケ捕獲は先住民が持つ固有の「先住権」として、現行法で禁止されないことの確認を国などに求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2日、1審・札幌地裁判決(2024年4月)を支持し、原告側の控訴を棄却した。
原告は、浦幌十勝川流域でコタン(集落)を構成していたアイヌ民族の子孫らでつくる「ラポロアイヌネイション」で、アイヌ民族の先住権の確認を求めた初めての訴訟。川の近くに住むアイヌにとってサケは生活や文化といったアイデンティティーの一部としている。
河川でのサケの捕獲は現在、水産資源保護法で原則禁止されているが、原告側は明治政府に土地を奪われ、自然資源の利用を禁止された歴史を踏まえ、先祖から受け継いだサケ捕獲の権利を今も有し、河口から4キロ以内で刺し網漁は認められると主張していた。
1審・札幌地裁判決は、アイヌ民族が「憲法13条により固有の文化を享有する権利を有する」とした上で「生活、伝統、文化において重要な部分を占めるサケの捕獲は最大限尊重されるべきだ」と指摘。一方で、漁業権は財産権の側面が強く、特定の集団が排他的に漁業を営むことは許されないなどと結論づけ、原告側の請求を退けた。
原告側は「主張する漁業権はアイヌの歴史や文化に由来した保障されるべき固有の権利」などとして控訴。アイヌ施策推進法(アイヌ新法)によって、継承されてきた生活様式を含めた文化振興をはかる責務があるなどと訴えていた。
被告側は漁を禁じる水産資源保護法などについて「資源の枯渇を避けるために必要な規則だ」などと反論し、控訴棄却を求めていた。【谷口拓未】
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