壁一面の顔、顔、顔… 絵本「ひろしまの子」の原画などを展示

2026/08/03 09:15 

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 絵本作家の長谷川義史さん(65)の作品「朗読詩 ひろしまの子」(BL出版、2025年)の原画や制作過程のスケッチなどを展示する企画展「見つめるまなざし」が、広島市西区の泉美術館で開かれている。反戦詩画人の四國五郎(14年に89歳で死去)が残した1編の詩に感銘した長谷川さんが創作に懸けた情熱と葛藤が、子どもたちの笑顔と眼から伝わってくる。

 会場には絵本の原画20点や制作途中のメモ書き、四國の自筆原稿の複製などを展示する。来場者がまず向き合うのは、壁一面に70枚以上も並ぶ子どもたちの顔、顔、顔――。

 ◇子どもたちの遺影を見て…

 原作の詩は1980年8月6日に広島市で開かれた原水爆禁止世界大会で、四國が自ら朗読した。「あなたのとなりを見てください ひろしまの子がいませんか」という問いかけで始まり、過ちは繰り返さないという決意で締めくくる。

 知人からの紹介でこの詩を知った長谷川さんは「絵本にしなければならない」という思いと「大阪出身で何も知らない自分が踏み入ってよいのか」という迷いで揺れ動いた。広島に何度も通い、原爆ドームや街並みを描いた。国立広島原爆死没者追悼平和祈念館が所蔵する子どもたちの遺影を見て構想が固まった。「一人でも多くの子どもを穏やかに描いてあげたい」

 ◇スケッチの複製、手に取れる工夫も

 原画展の開催にあたり、美術館側は「来場される方が、子どもたちの目に見つめられてほしい」と企画を練った。長谷川さんが描いた354枚のスケッチから100枚を複製して会場に備え、手に取れるようにした。

 他に「ぼくがラーメンたべてるとき」(教育画劇、07年)「8月6日のこと」(ハモニカブックス、11年)の原画も展示している。

 8月23日まで(月曜休館)。同22日午後2時から、長谷川さんと四國の長男・光さんによる対談イベントがある。入場料など詳細は泉美術館(082・276・2600)。【宇城昇】

毎日新聞

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