長野・松本でナナフシモドキ急増 過去には農作物被害 動向注視

2026/08/21 12:15 

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 長野県松本市郊外の里山にあるアルプス公園で今夏、木の枝に擬態した昆虫「ナナフシモドキ」が多数発生し、来園者を驚かせている。園内の建物の外壁に張り付く姿が人目を引いているほか、樹木でも見られ、関係者が動向を注視している。

 ◇外壁などに100匹

 同公園内の古民家体験学習施設では8月中旬、外壁などに約100匹が止まり、訪れた人が「たくさんいるよ」と声を上げた。地面には死がいも多く見られた。付近のクルミやエノキにも止まっていた。他に休憩施設やトイレ棟などの外壁、散策路上でも見られた。

 ナナフシ科のナナフシモドキはナナフシ類の代表種。本州、四国、九州に分布し、体長7~10センチ。羽はなく、樹木の葉を食べる。名前の由来は「七節(節が多い枝)に似た虫」とされ、単にナナフシとも呼ばれる。雌が単為生殖を行い、雄の発生はまれという。

 同公園内にある市山と自然博物館の内川潤季学芸員は「ナナフシモドキは以前からいるが、昨年になって急に増えた。今は被害はないが、注意したい」と話している。

 ◇隣の安曇野では過去、数十万匹発生も

 ナナフシモドキは北隣の安曇野市明科で2017年に大量発生した。当時、現地を調べた同市の三郷昆虫クラブ世話人、那須野雅好さんによると、ケヤキが食い荒らされ、農作物にも被害が出た。発生数は数十万匹に達したと推定している。その後も目立つ発生は周辺で続いているといい、「松本を含め、今後どうなるのか様子を見ていきたい」と語る。

 羽がなくて飛べない虫が、どうやって分布を広げるのか。

 那須野さんは、卵を持つ雌を食べた鳥のふんを介して卵が広がる可能性と、人が移動に使う車両に雌が付着して広がる可能性を挙げる。卵は植物の種子に似た硬い殻に覆われており、神戸大などの研究では、鳥に食べられても消化されずに排せつされ、実際にふ化した例が確認されている。【武田博仁】

毎日新聞

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