緊急輸送道路の橋、8割で耐震補強の設計に問題 161橋は性能不足

2026/09/28 17:00 

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 災害時に緊急車両が通行する「緊急輸送道路」の橋の耐震補強工事について会計検査院が抽出調査をしたところ、調査対象とした全国496橋のうち約8割に当たる407橋の設計に問題があることが判明した。このうち、161橋は巨大地震の際に必要な耐震性が確保されていないと指摘した。

 検査院は「直ちに橋の利用者に危険が及ぶわけではない」としているが、阪神大震災や東日本大震災級の巨大地震の発生時に緊急輸送道路を活用できなくなる恐れがある。

 緊急輸送道路は災害時に避難や救助、物資供給などで緊急車両の通行を確保する道路。地震が起きた時に道路となる橋の崩落や倒壊がないよう、国土交通省は以前から緊急輸送道路に指定されている道路の管理者に橋の耐震補強を進めるよう促しており、2015年には改めて工事の注意点などを示している。

 検査院の今回の調査は全国の地方整備局や国道事務所、自治体など道路を管理する69事業主体を対象に実施。16~24年度に橋脚の柱部分を鉄筋コンクリートや鋼板などで囲う「巻き立て工法」で補強工事をした496橋の橋脚1350基(工事契約金額計約1178億円)を調べた。

 巻き立て工法を用いた場合、補強に使うコンクリートや鋼板の重みで基礎の部分に負荷がかかるため、影響を加味した設計や施工が求められる。ところが、橋の設計図が保存されておらず構造を把握しないまま工事を実施するなど、407橋の橋脚1128基の設計に問題があるとした。

 このうち、補強工事前に基礎部分を調査した際、巨大地震時に十分な耐震性能が確保されていないことを把握していたにもかかわらず、「柱部分の耐震対策を行えば十分」と独自の解釈をして補強工事を実施した事例もあった。こうした「巨大地震の発生時に十分な耐震性能が確保されていない」と判断された橋脚は161橋の359基に上った。

 国交省は検査院の指摘を受けて今年3月や6月に地方整備局などに事務連絡を出し、設計図の保存や、適切な調査をした上で工事を実施する必要性を周知。問題が指摘された橋脚については、十分な耐震性能があるか改めて調査をし、耐震性能が確保されていないと判断された場合は、緊急度に応じて耐震補強工事をするとしている。【山田豊】

毎日新聞

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