ソフトバンク子会社の元CFOを逮捕 1.7億円着服疑い

2026/10/01 20:15 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ソフトバンク子会社のインターネット広告代理店「イーエムネットジャパン」(東京都新宿区)の預金1億7000万円を着服したとして、警視庁捜査2課は1日、元常務で最高財務責任者(CFO)だった村井仁容疑者(52)=千葉県四街道市=を業務上横領容疑で逮捕した。不正流用は2025年の1年間で計4億6000万円に上り、大半は外国為替証拠金取引(FX)投資で被った損失の補塡(ほてん)に充てられたとみられる。

 イーエム社が設置した第三者委員会の調査報告書や警視庁によると、村井容疑者は16年に入社し、社内の金庫を事実上一人で管理。23年8月以降2年以上にわたって、会社名義の口座からキャッシュカードで現金を引き出したり、自身の口座へ送金したりしていたとされる。不正を疑った部下もいたが、内部通報制度が機能せず発覚の遅れにつながったという。

 ◇「FX取引で損失、泥沼にはまった」

 逮捕容疑は、25年8月上旬~12月上旬、イーエム社の預金口座から自身の口座に、7回で計1億7000万円を送金して着服したとしている。

 警視庁は認否を明らかにしなかったが、調査報告書によると村井容疑者は「FX取引で損失を重ねて会社の資金に手を付けた。常識的な思考ができずに泥沼にはまった」と述べていた。

 流用や隠蔽(いんぺい)の手法としては、自分がイーエム社から金を借りたとする契約書を偽造したほか、監査法人や親会社であるソフトバンクの内部監査時に金庫用の帳簿や銀行が発行する残高証明書を改ざんして提出していたという。

 一方、社内の経理や財務、法務に関する権限は村井容疑者に集中し、コンプライアンス相談窓口も村井容疑者になっていた。周囲には「そんなに君たちは優秀じゃないよ」などと人格を否定するような言動もあったとみられ、疑念を抱いた部下は「(容疑者に)指摘すれば『辞めてもよい』と言われるかもしれないと恐れた」として内部通報にも至らなかった。

 結局、26年1月に財務担当社員が容疑者あてに借入金の返済について確認するメールを社長にも同時送信し、不正が発覚した。【長屋美乃里】

毎日新聞

社会

社会一覧>