<football life>7年前、敗れた流経柏に魅了された小学生 全国高校サッカー決勝…
第103回全国高校サッカー選手権決勝は13日、東京・国立競技場を舞台に、第96回大会と同じ顔合わせで行われる。7年前の決勝で前橋育英(群馬)に惜敗した流通経大柏(千葉)の姿を見た複数の小学生が流通経大柏の主力へと成長し、雪辱を誓っている。なぜ、敗者に心引かれたのか。
現チームで10番を背負うMF柚木(ゆのき)創選手(3年)はテレビ越しに観戦し、「あの決勝を見て、『流経はすごいチームだな』と関心を持ち始めた。押し込まれた時間帯でも粘り強いサッカーをしている流経がすごいと思った」と振り返る。
7年前の決勝で流通経大柏が放ったシュートは相手の4分の1の3本。耐える時間が続いた末、後半追加タイムに決勝点を許して0―1で力尽きた。
だが前橋育英の波状攻撃で万事休したと思われた場面をGKの背後にもブロックを敷き、ゴールに入りそうなボールを再三にわたってクリアした。決勝点を許した場面は、一度は相手エースのシュートをDFが体でブロックしたが、こぼれ球を他の選手に押し込まれたものだった。
今大会、準決勝までにチーム最多4点を挙げているFW山野春太選手(3年)も「初めて高校サッカーをテレビでしっかり見たのが、その試合だった。流経の体を張るプレーがすごく印象に残っている。その印象があったから、今こうやって流経にいる」と語る。
7年前の決勝で流通経大柏の2年生FWとして先発出場し、現在はJ1柏レイソルでMFとしてプレーする熊沢和希選手(24)は今大会で母校が4強入りを果たした後の9日の取材で「優勝できる力を一番持っているチームは流経だと思っている」と、後輩たちへの信頼を口にした。仮に前橋育英との決勝が実現した場合、「リベンジしてほしいですね」と語っていた。
柚木選手は「先輩たちは悔しい思いをしてきた。自分たちがその敵を取りたい」と話す。宿敵を相手に、7年越しの思いをぶつける時が来た。【高野裕士】
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