石破首相がバイデン米大統領に懸念伝える USスチール買収阻止

2025/01/13 08:58 

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 石破茂首相、米国のバイデン大統領、フィリピンのマルコス大統領の日米比3カ国首脳は13日、約25分間、オンラインで協議した。首相は日本製鉄によるUSスチール買収がバイデン氏の判断で阻止された問題について「日本のみならず、米国経済界からも強い懸念の声が上がっている。経済安全保障を推進するためにも企業が安心して投資できるよう取り組むことが重要だ」と発言し、米側に懸念の払拭(ふっしょく)に努めるよう求めた。首相がこの問題で、バイデン氏に直接懸念を伝えるのは初めて。

 日米比の首脳協議は、2024年4月に米ワシントンで初開催して以来2回目。バイデン氏の退任を前に、引き続き3カ国による連携の重要性を確認する狙いがある。協議では、中国が強引な海洋進出を続ける東シナ海、南シナ海の状況について、力による一方的な現状変更に反対すると表明。南シナ海について国際社会の幅広い関与を得ることの重要性も確認した。

 首相は協議後、記者団に「3カ国間の海洋安全保障、経済安全保障、インフラ強靱(きょうじん)化で協力の進展を確認し、今後も続けていくことで一致した」と強調。「法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現のためにさらに努力していく」と語った。【内田帆ノ佳】

毎日新聞

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