J1神戸・佐々木大樹 チャンス逃した2分後に見せたエースの真価

2025/04/16 22:57 

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 ◇◯ヴィッセル神戸2―1川崎フロンターレ●(16日・ノエビアスタジアム神戸)

 失敗した後の行動でその人の本質が見えてくるものだ。神戸の佐々木大樹の真価を問われる場面が訪れた。

 前半30分ごろ、川崎のバックパスに猛然とエリキがチャージをかけた。そのこぼれ球が、ゴール前の佐々木の足元に来たが、シュートは枠外へと転がっていった。

 大きなチャンスを逃した佐々木だが「下を向いても仕方がない」と顔を上げた。演出したエリキも手をたたいて鼓舞した。

 その2分後に再びエリキとのパス交換で佐々木がボールを持った。右45度の角度でペナルティーエリアぎりぎりのところから思いっきり右足を振った。守備者に当たって軌道が変化したシュートはそのままネットに吸い込まれた。今季からクラブのエース番号「13」を背負う25歳は先制点に胸のエンブレムを何度もたたいた。

 蓄積疲労の大黒柱・大迫勇也に代わり、ワントップで起用された。吉田孝行監督は「チームみんなが競争してお互いを高め合っている。まさに大樹の活躍がそう」と評価。試合前に「ハードワークと球際を強く」とチームで意思統一した通り、佐々木も後半途中に退くまで走り回り、守備でも貢献した。

 今季の神戸はけが人の影響もあり、スタートダッシュに失敗した。それでも攻守にアグレッシブな「らしさ」を取り戻し、上位の川崎を破って今季初の連勝を飾った。「3連覇への道はまだ長い。次の試合に切り替えてやりたい」と佐々木。逆襲への契機としたい。【生野貴紀】

毎日新聞

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