ハーフマラソン、誘導ミスで距離短く 選手「あれ?こんなに速い?」

2025/05/11 13:39 

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 ◇関東学生対校選手権

 11日に相模原市で行われた陸上の関東学生対校選手権のハーフマラソンで、運営側による誘導ミスで走行距離が短くなり、記録が参考扱いとなるトラブルがあった。順位は認められる。

 ミスが起きたのは、相模原ギオンスタジアムを発着点とするハーフマラソンの男子2部。

 本来は1周400メートルのトラックを4周した後、競技場外に出ていくはずだったが、大会運営側が3周を走り終えた時点で選手を公道に誘導した。

 5キロの通過タイムが想定よりも大幅に速く、運営側が誤りに気づき、各校の監督からも指摘が相次いだ。

 優勝した駒大の帰山侑大選手は報道陣から走行距離が短かった事実を聞き、「(レース中は)ただ前の選手についていったので気づかなかったが、(フィニッシュ後)何となく短いな、タイムが速いなと思っていた」と驚いた様子だった。

 2位の創価大・野沢悠真選手は「5キロの通過タイムが13分40秒台で『あれ? こんなに速いのか? 何かおかしいな?』と思っていた」という。

 フィニッシュタイムも「(1時間)3分台だと思って時計を見たら1分台だったので、やっぱりおかしいなと。ただ途中でレースを打ち切ることはないので、レースに集中しようと気持ちを切り替えて走った」と話した。

 2部は上位5人が1時間1分台でフィニッシュした。

 正しい距離で行われた1部は山梨学院大のブライアン・キピエゴ選手が大会新となる1時間1分14秒で制し、2位の早大・工藤慎作選手は1時間4分16秒だった。

 関東学生陸上競技連盟によると、大会ホームページに記載したコース説明は「競技場内4周」と正しかったが、出場校や大会関係者が大会前に集まった代表者会議で配布した資料や大会パンフレットには「競技場内3周」と誤った内容を記載していた。

 当日の係員らは、誤った資料に従い、選手を誘導したという。レース後、連盟は出場校の監督や関係者に謝罪した。

 連盟の日隈広至専務理事は「選手には本当に申し訳ないことをした」と謝罪した上で、「大会運営本部の確認不足によるミス。二度とこのようなことが起きないよう、どの段階で資料の記載が変わってしまったのかを検証し、各大学に改めて説明する」と話した。

 ハーフマラソンのタイムは箱根駅伝の予選会の参加標準記録に新たに加わり、エントリー選手全員(10人以上)に1時間13分以内の公認記録があれば参加できるようになった。

 前回までの参加条件は1万メートルの公認記録が34分以内だった。今大会での参加標準記録の突破を目指した選手もおり、日隈専務理事は「どういう形になるか分からないが、救済措置をする予定で検討している」と説明した。【磯貝映奈】

毎日新聞

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