心身の安定を思わせる琴勝峰、2敗守り単独トップ 大相撲名古屋場所

2025/07/27 07:07 

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 ◇大相撲名古屋場所14日目(26日、愛知・IGアリーナ)

 ◇○琴勝峰 上手投げ 霧島●

 大関経験者で優勝2回の霧島を破って単独トップに立っても、表情一つ変えずに支度部屋に戻ってきた。

 「無意識で(相撲が)取れている」。心身の安定を思わせる琴勝峰が2敗を守り、初の賜杯が射程に入ってきた。

 立ち合いからもろ差し狙いの霧島を突き放す。なおも頭を低くして出てくる相手に対し、左に体を開いて上手を取ると、すぐに土俵の外に投げて勝負あり。立ち合いで当たり勝ち、自身のペースに持ち込むことができた。

 今場所、弟の琴栄峰が新入幕を果たし、10日目には自身が勝ち残って弟に力水をつけた。「刺激になっている。自分ももっと上を目指さないといけない」と奮起して13日目に新横綱・大の里から初金星を挙げると、弟は「横綱相手に平常心で挑めるのはすごいこと」と舌を巻いた。

 気持ちにゆとりがあるのには理由がある。琴勝峰は2023年初場所で大関だった貴景勝と優勝争いを演じた。千秋楽の相星決戦の末に敗れたが、「あの経験があるから落ち着いている」と実感している。取組前もリラックスした表情でストレッチを繰り返す。

 千秋楽の相手は3敗に後退した安青錦。勝てば初優勝が決まる。2年前にあと一歩まで迫った賜杯が頭にはちらついているはずだ。「自分は(番付が)幕内下位なので、思い切っていくだけです」。そう言い聞かせ、決戦に挑む。【黒詰拓也】

毎日新聞

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