相手の「アーチーチー」も力 日大三・近藤は強心臓右腕 夏の甲子園
◇高校野球・夏の甲子園準決勝(21日)
◇○日大三(西東京)4―2県岐阜商●
三塁側のアルプス席から試合終盤の恒例となった曲が大音量で流れてきた。「アーチーチー、アーチ」。郷ひろみさんの「GOLDFINGER’99」、県岐阜商の名物応援だ。マウンドにいる日大三の近藤優樹は「ああ、これかあ」。思わず口ずさんで笑っていた。
今大会、快進撃を見せた県岐阜商を、満員の応援団を含めて球場全体が後押ししているかのような感覚に陥る。それでも近藤は「自分の応援のようで楽しい」。前日に県岐阜商の吹奏楽の演奏を聴いて予習していた。四回途中から継投し、ピンチを切り抜けてきた。
延長十回、自らの適時打などで2点を勝ち越した。その後の投球で先頭をゴロに打ち取るも、味方のミスで1死二、三塁とピンチが拡大した。
がぜん、攻勢に出る相手。近藤は冷静だった。2番・稲熊桜史(いなぐまおうし)に対し、初球に投じたのは90キロ台のカーブ。低めに制球し、空振りさせると、次も変化球で三ゴロに。続く打者にはセットポジションから長く間合いを取って、駆け引きした。一ゴロに打ち取り、両手を上げた。
「小さいころから身長が高くなくて。それでもどうすれば、と工夫していた」と近藤は言う。身長は171センチで、最速は130キロ台後半。150キロ超の最速を誇る投手が多く注目を集めた今大会において、目立つ存在ではない。その分、投球術を磨いてきた。
背番号「1」を付けたのは今夏の西東京大会から。エース番号を欲し、投げ込みを増やしてアピールした。「夏、絶対『1番』で勝ってやるという思いが強く出てきていた。芯を持っている折れない人」とは捕手の竹中秀明の評だ。
「強打の三高」という看板にあって投手の存在は隠れがち。しかし、過去2度の夏優勝を振り返れば第83回大会(2001年)は近藤一樹さん、第93回大会(11年)は吉永健太朗さんという立派な右の柱がいた。
14年ぶりの頂点へ挑む近藤は「決勝も任されたところで全力で投げたい」。エースがアチチと燃えている。【生野貴紀】
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