「一人でも多くの人に」 アメフトの魅力、知恵しぼり産学共同で発信

2025/09/12 10:15 

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 関西学生リーグに所属する大学アメリカンフットボール部が、アメフトの魅力発信に「産学共同」で取り組んでいる。日本では、野球やサッカーに比べてあまりなじみがないアメフト。「ラグビーとどう違うの?」と言われることもしばしばあるという。メジャースポーツにするべく、学生が知恵をしぼっている。

 8日午後7時ごろ。観光客らでにぎわう京都市中京区の「河原町OPA(オーパ)」前は、熱気に満ちあふれていた。屈強なアメフト部の学生たちと希望者が対戦するアームレスリングイベントが開かれていた。誰でも無料で参加でき、勝てばOPAのクレーンゲームの無料券がプレゼントされる。

 大柄な外国人観光客が勝負を挑むと、学生側は、前年甲子園ボウル優勝の立命館大アメフト部のOL(オフェンスライン)・坂井星河さん(4年)が受けて立った。白熱した戦いの末に坂井さんが勝利。通行人らから拍手と歓声がわき起こった。

 関西学生リーグのアメフト部が実施する、PRイベント「アメフトハドルフェスタ」の一幕だ。20日にイオンモール北大路(京都市北区)で開催されるリーグ戦のパブリックビューイングを告知するために実施された。20日に試合がある京大、同志社大、立命館大、関大の同部の主務、学生委員らが企画した。

 こうしたイオンモールやその子会社の河原町OPAとの「産学共同」の普及・発展の取り組みは昨年に始めた。同志社大アメフト部OGの山木都さん(33)が河原町OPAで営業マネジャーとして働いていることで企画が実現。イオンモール側としても、メインターゲットのファミリー層ではない、大学生の来店促進などの狙いがあるという。

 この日は、イオンモール北大路でもタックル体験やアメフトのボールを使った「ストラックアウト」などが行われた。普段はアメフトと関わりのない小さな子どもたちや女子高生らが参加。現役部員からアドバイスを受けながらボールを投げたりした。また、学生たちがデザインした各部のロゴ入りのクリアファイルやチームごとのトレーディングカードなどが参加者に贈られた。

 運営の中心となった京大アメフト部主務の勝亦穂香さん(4年)は「このために、企画書を作り、山木さんたちと何度も打ち合わせをした。新たな客層を呼び込みたい」と強調する。

 参加した選手たちも期待を込める。立命館大の坂井さんは「京都の地域の方と関わるのは初めてで新鮮な気持ち。一人でも多くの人にアメフトファンになってもらえたら」。関大アメフト部のWR(ワイドレシーバー)・辻翔誠さん(4年)は「地元の友達にたまに『ラグビーやってるんやんな』と間違えられることもある。もっと認知されるスポーツにしたい」と意気込んでいた。

 20日のイオンモール北大路のパブリックビューイングは午後3時からで、観戦無料。関大―同志社大、京大―立命館大の2試合を放映する。【大東祐紀】

毎日新聞

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