AINのグメンニク 自己ベストも演技構成点伸びず 五輪最終予選

2025/09/20 14:04 

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 フィギュアスケートのミラノ・コルティナ冬季オリンピック最終予選は第2日の20日、中国・北京の国家体育館で男子ショートプログラム(SP)があり、ロシアのピョートル・グメンニク選手(23)が個人の中立選手(AIN)として出場した。ノーミスの演技で93・80点をマークした。

 ◇好演をたたえる歓声と拍手…

 技術の高さと、袖に花びらをちりばめた衣装も相まって、演技前の6分間練習からひときわ目立っていた。4回転ジャンプを降りるたびに、会場では拍手が起きた。

 前日の公式練習からミスが極めて少なかったが、本番の演技でもそれは変わらなかった。

 演技冒頭、4回転フリップ―3回転トーループの連続ジャンプは出来栄え評価で加点を得ると、続く4回転サルコウも軽やかに着氷。後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)もきれいに降り、ジャンプはすべて成功させた。表現面でも184センチの長身を生かし、ゆったりとした動きで音を拾っていく。スピンとステップもすべてレベル4でそろえ、総合力の高さを示した。

 演技後は笑顔を見せながら、観客席へと手を振った。好演をたたえる拍手や歓声は多く、前日の女子SPでのロシアのアデリア・ペトロシャン選手(AIN)の演技後と同様に、バナーを掲げたり、ぬいぐるみや花束を投げたりするファンもいた。

 SPの得点は93・80点。4年前に出した国際スケート連盟(ISU)公認の自己ベスト91・84点は上回ったが、スケーティング技術や表現面、プログラムの構成を評価する演技構成点は3項目とも7点台にとどまり、満面の笑みではなかった。昨季の世界選手権(米ボストン)SPで、イリア・マリニン選手(米国)と鍵山優真選手(オリエンタルバイオ・中京大)はすべてで9点台をマークしており、今後世界で戦うことになれば、課題になる部分と言えそうだ。

 グメンニク選手は規定通り、取材エリアに姿を見せることなくリンクを後にした。

 ウクライナ侵攻を受け、ISUは2022年3月以降、ロシア勢を国際大会から排除していたが、今大会は各カテゴリーにつき1人、厳しい審査をクリアした選手がAINとして出場を認められている。

 フリーは21日に行われる。グメンニク選手は公式練習で4回転のルッツやループも跳んでおり、4回転ジャンプを多く組み込んだプログラムになりそうだ。約4年ぶりの国際大会で、存在感を示している。【北京・玉井滉大】

毎日新聞

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