集中力高める大関取り、若隆景が存在感 数秒で勝負決める 大相撲

2025/09/19 20:41 

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 ◇大相撲秋場所6日目(19日、東京・両国国技館)

 ◇○若隆景 突き落とし 豪ノ山●

 大関取りの若隆景がじわじわと存在感を高めてきた。突進力のある豪ノ山を降して3連勝。一時は黒星が先行したものの、4勝2敗まで持ち直した。

 相手の動きがよく見えていた。頭から当たってきた豪ノ山に対し、すぐ右に体を開いて突き落とした。立ち合いから相手の頭が低いのを見逃さず、わずか数秒で勝負を決めた。

 2021年名古屋場所で新小結に就き、その後関脇まで上がったが、右膝の大けがに見舞われて3場所連続で休場。復帰した23年九州場所は幕下まで落ちた。そこからはい上がってきた実力者は今年の夏場所で12勝、名古屋場所で10勝を挙げ、再び土俵を沸かせた。

 今場所は大関昇進が懸かるが、特別なことは考えない。「自分は下から攻める意識しかない」と語る通り、低い姿勢でぶつかる動きを入念に確認して花道に向かう。

 今場所は初日に伯桜鵬、3日目に玉鷲に屈し、なかなか勢いに乗れなかった。それでも4日目に高安に寄り切りで勝った時は「集中していた」と前を向いていた。

 この日の一番で豪ノ山に土が付いた瞬間、わずかに首をひねったのは一気に圧力をかけて持っていけなかったからか。支度部屋では目をつむったまま、「また明日、集中する」と何度も繰り返した。星数に加え、内容も伴えば大関の地位はおのずと見えてくる。【黒詰拓也】

毎日新聞

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