米中首脳が電話協議 TikTok事業の譲渡や貿易問題を協議へ

2025/09/19 19:46 

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 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は19日、電話協議をした。中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の米側への譲渡や、関税を含む貿易問題などについて協議する見通しだ。

 米中両国は14、15日にスペインのマドリードで貿易問題などに関する4回目の閣僚協議を実施。ティックトックの米国事業に関し、大枠で合意した。米側が取得する方向で、両首脳の協議で最終決着を図る方針だ。

 米国では2024年、ティックトックを運営する中国IT大手「字節跳動(バイトダンス)」に米国事業を期限内に売却しなければ米国内での事業を事実上禁止するとする法律が成立。トランプ氏は25年1月の大統領就任以来、若者に人気のティックトック事業継続のため、売却期限の延期を繰り返し、米中両国で協議を進めてきた。

 トランプ氏は首脳協議に先立ち、今月16日に売却期限をさらに12月16日まで延期する大統領令に署名した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米事業の売却先として、オラクルや投資会社などによる米企業連合が80%の株式を所有する米法人の設置が検討されているという。

 米中両国を巡っては、互いにかけ合う追加関税の一部停止措置が11月10日に期限を迎える。また、双方の国の企業への制裁措置も続いており、首脳間で緩和に向けた意思疎通を図る。国際情勢を巡っても、幅広く意見が交わされる可能性がある。

 米中両国は年内にも対面での首脳会談を模索している。今回の電話協議で一定の進展が見られれば、実施に向けての地ならしが進むとの見方もある。【北京・松倉佑輔】

毎日新聞

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